冬虫夏草は漢方で摂るかサプリで摂るか、効能や副作用は?

冬虫夏草

冬虫夏草は特定のガの幼虫に寄生するキノコの1種であり漢方薬の材料として有名です。
まがい物も多く出回っているので注意が必要です。

草という名前がついていますが冬虫夏草はキノコの1種です。
しかしただのキノコではありません。
昆虫の体に寄生するかなり珍しい種類なのです。
チベットを含む中国西部の3000メートルを超える高山地帯に分布し、そこに生息するただ1種類のガの幼虫に寄生することで生きています。
このガは夏に産卵し、1月ほどたって卵からふ化した幼虫は地中に移動するのですが、この時に一部が冬虫夏草の菌に感染します。
通常幼虫は4年ほどを地中で過ごした後に成虫になりますが、冬虫夏草に感染したものは成虫になる前に菌にやられて死んでしまいます。
幼虫の体内でゆっくり成長した菌は夏にキノコを出し地面から生えて出ます。
冬虫夏草という変わった名前も、夏には虫であったものから冬になって植物のようなものが生え出ることに由来します。

冬虫夏草は貴重な漢方薬として大変有名です。
地上にキノコが生え出たタイミングで採取した冬虫夏草を乾燥させ、生薬や薬膳料理の食材として利用します。
中国清朝時代の医学書、本草従新やチベットの医学書である甘露宝庫も生薬として冬虫夏草を紹介しています。
日本でも昔から知られていたと思われますが、特に冬虫夏草の名前を高めたきっかけは、90年代の世界陸上で大活躍した中国の選手団が冬虫夏草を服用していたことです。
その後もオリンピックを含めて中国の選手は活躍を続け冬虫夏草の名をますます広めています。

人気のある漢方薬の材料にはありがちなことですが、冬虫夏草は手当たり次第に採取され今では絶滅の危機にあるとも言われます。
そのため中国政府はこのキノコを保護しており中国国外への持ち出しはきびしく制限されます。
希少性がさらに高まった結果、冬虫夏草1キロが数十万円から100万円もの目玉の飛び出るような高値で取り引きされるようになりました。
そこで現れた問題が冬虫夏草のまがい物です。
本来の冬虫夏草は特定のガに寄生する1種のみですが、これに近縁なキノコで他の昆虫に寄生するものは世界に350種類ほどあり、これらが冬虫夏草として出回っています。
冬虫夏草に近縁なこれらのキノコは中国では虫草と呼ばれ本物の冬虫夏草と区別されますが、日本ではそもそもこれらの区別が曖昧であり問題をさらにややこしくしています。
本来の冬虫夏草以外のキノコは薬効が分からないものが多く、人体に有害である恐れもあるため冬虫夏草を購入する際には十分な注意が必要です。

冬虫夏草は中国の陸上選手団の活躍でますます有名になりました。
まがい物や作り物などの粗悪品が出回っているので信用できる販売者から買うようにしましょう。

冬虫夏草の効果・効能

冬虫夏草にはいくつものすぐれた薬効があります。
滋養強壮と疲労回復、生活習慣病やガンの予防、免疫力向上などが代表的な効能です。

中国選手団が服用していたことからも分かるように、冬虫夏草第一の効能は滋養強壮にあると古来考えられています。
肝臓にたくわえるエネルギーが増えると言い、疲労回復にも効果があるとされます。
性的不能や精力の減退にも効果がある考えられ、こちらの方面で取り上げられることも多いです。
精力増強に関しては人を対象とするいくつかの実験が行われており、そこそこの有効性が見られたとのこと。
またメラトニンという成分は体内時計を制御するホルモンとして働き、睡眠の質の向上に役立つとされます。
これも疲労回復には無視できない効果がありそうです。
さらにアドレナリンやドーパミンという物質の働きに関与して精神の安定にも寄与すると言われます。

冬虫夏草には免疫力を高める効果があると考えられます。
βグルカンという有効成分が関わっており、こうした物質が免疫を担うマクロファージやナチュラルキラー細胞、T細胞やB細胞といった細胞群を活性化させるのです。
免疫異常によって起こる膠原病やリウマチが冬虫夏草の服用によって軽減したという話もあります。
アレルギーも免疫疾患の1種であり冬虫夏草はアトピー性皮膚炎や花粉症にも効果があると言います。
免疫力が高まった結果風邪などの病気にかかりにくくなることも期待できます。
ちなみにβグルカンにはコレステロール値を下げたり、便秘を解消したり、ガンを抑制する効用もあると考えられています。

生活習慣病の予防も冬虫夏草の重要な効能です。
冬虫夏草は高血圧を改善し、血圧が低すぎる場合には反対にそれを高める効果があるとされます。
血糖値を抑える効果もあると考えられており糖尿病の予防に役立ちます。
糖尿病に対する効果に関してはいくつかの実験があり、血糖値が高い場合にだけこれを下げるというありがたい作用を持っている可能性が示されています。
通常の糖尿病の薬では健常者の血糖値も下げてしまうため、それよりすぐれていると言えるかもしれません。
また冬虫夏草には亜鉛やメラトニン、エルゴステロールといった物質を始め活性酸素の除去を助ける成分が豊富に含まれており、これが老化防止や動脈硬化の予防に有効であると考えられています。
上で述べたメラトニンによる体内時計の調整も生活習慣の改善に役立つでしょう。

すぐれたききめがあるという冬虫夏草の知名度はだてではありません。
ガの幼虫からキノコが生えた姿はちょっと不気味ですが、疲労感などに悩まされているなら使用してみる価値があります。